Beeという言葉について

「Bee」イコール「ミツバチ」ではありません。
ハチにはアシナガバチやスズメバチ等の肉食系のハチと、花の蜜や花粉を食用にするハナバチ(花蜂)がいますが、一般的にハナバチのことをBeeと言うようです。下記です。

・ ミツバチ Honey Bee(ハニービー)
・ マルハナバチ Bumblebee(バンブルビー)
・ クマバチ Carpenter Bee(カーペンタービー)
・ 単独性ハナバチ Solitary Bee(ソリタリービー)

ミツバチやマルハナバチは集団行動し高度な社会性を進化させているので「社会性ハナバチ」と呼ばれます。 単独性ハナバチは基本的に集団行動せず単独で巣作りをします。クマバチは基本的に単独行動ですが、子供が羽化したあとも母子が同居するので「亜社会性」と呼ばれます。

なお単独性ハナバチには、ムカシハナバチ科、コハナバチ科、ヒメハナバチ科、ケアシハナバチ科、ハキリバチ科、コシブトハナバチ科のハナバチたちが含まれます。ミツバチ科のニッポンヒゲナガハナバチも含まれます。

日本ではマルハナバチやクマバチ、単独性ハナバチのことがあまり知られていないためBeeをミツバチと訳す慣習があるようです。「World Bee Day」も日本では「世界ミツバチの日」と訳されていますが、「World Bee Day」というとき、ミツバチのことだけを言っているのではないということに注意しておく必要があると思います。

ただし、養蜂業がさかんな国の場合、「Bee」イコール「ミツバチ」というとらえ方をしているケースがあります。「World Bee Day」のイベントにハチミツがずらっと並び、ミツバチのイラストや写真ばかりが並ぶケースです。

人口約200万人のうち8000人が養蜂を営むスロベニアの提案で「World Bee Day」が成立した経緯があり、まずはミツバチに注目するのは当然のことかも知れません。

ミツバチたちは花粉(Pollen/ポレン)を運び、植物の受粉を助けることからポリネーター(Pollinator/花粉媒介者・送粉者・授粉者)と呼ばれます。 そこでハナバチ全体の呼称として「ポレンビー(Pollen Bee)」を使おうという提案があったそうですが、今のところ一般化していないようです。

ポリネーターのなかにはハナアブや蝶、蛾、コガネムシ、バッタ、鳥、コウモリたちも含まれます。地球の生態系を守ること、持続可能な農業や経済を考えるのであれば、ミツバチ、ハナバチだけに限定せずポリネーター全体に注目する日に発展していけばいいと思います。

アメリカ合衆国では、2007年から「Pollinator Week」(ポリネーターウイーク)というイベントを毎年行っているようです。それはカナダ、メキシコ、オーストラリア、EUに広がっているようです。

» ポリネーター・パートナーシップ「私たちと一緒にポリネーターウィークをお祝いしましょう!」

» 米国農務省(USDA)「全国ポリネーターウイークです! 6月19日(金)に開催されるUSDAポリネーターウイーク・フェスティバルで、ミツバチ、コウモリ、その他のポリネーターを称えましょう」

私たちもポリネーターたちのことを配慮した庭作りや農業の創出、都市計画の変更、文明の変更、意識の変更が必要だと思います。