ヒメアカタテハ
Painted Lady

英名は“Painted Lady”。美しく彩られたレディみたいな意味なんでしょうか? 実物は私の素人写真よりずっとお洒落です。

ヒメアカタテハは日本中、いや世界中に生息しているらしい。ということは何でも食べるのかと思いきや、幼虫はハハコグサ、ヨモギ、ゴボウやカラムシなどのイラクサ科植物を食べるという。

私が知らないだけで、ヨモギやカラムシは世界中に生えているのかな? 上下の写真は2013年7月2日、アカツメグサで吸蜜する様子。

2013/07/02

2013/07/02

2013/07/02

2021/07/06 西洋ニンジンボクで吸蜜に来て休憩。

2021/06/29 ラベンダーの花で吸蜜。

約400年まえのオランダの画家、ヨリス・ヘフナゲル(1542~1601)が描く、ヒメアカタテハですね。しっかり見つめて、ていねいに誠実に描こうとしているのがわかります。

このかたです。ヨリス・ヘフナゲルまたはゲオルグ・ヘフナゲルというそうです。日本ではほぼ知られていないと思いますが、私は魅了されました。

ヘフナゲルのこの絵に描かれている蝶もヒメアカタテハ。非常に奇妙な絵です。なぜ奇妙かというと、そもそも一般的な絵画の美学を目指していない。エソテリックな錬金術(アルケミー)的世界観を表現しているからです。

2017年末に福岡市博物館で「驚異の世界展」がありました。このポスターの絵、この驚くべきアンチンボルドの作品を見るために、片道3時間以上車を運転しました。日本ではアンチンボルドもほとんど知られていません。一般的な絵画の美学からいうと奇妙としかいいようがありません。

けれど、この絵のモデルとなったルドルフ2世は、このように描かれてたいそう喜んだという。描く方も描く方だけれど、喜ぶ方も喜ぶ方です。ともかくそのような展示会でヘフナゲルを発見したんです。ヘフナゲルについてはまたあらためて取り上げたいと思います。