モンシロチョウ
Small Cabbage White

上は2017年6月30日撮影。下はそのアップ。ラベンダーの花で吸蜜。
実は農業の敵です。モンシロチョウの幼虫(青虫)はキャベツやハクサイの葉が大好物なんです。農薬で防除しなければ、虫喰い跡だらけになってしまい、そうなると消費者は買ってはくれません。

昔は少しぐらい虫喰い跡があっても良しとされていたと思うんですが、今は完璧に虫喰い跡の無いピカピカの野菜でなくてはならない。そうなると、どうしても農薬防除が必要になります。

私たちは家庭菜園を楽しむ程度に、ほんの少し栽培するだけですから農薬を使用する必要がありませんが、青虫をあんまり放置すると筋だけになってしまうこともあります。青虫は食欲旺盛ですから、見つけ次第手で捕まえます。

アシナガバチやキイロスズメバチは青虫を退治してくれます。それを知っているので私たちは肉食系のハチの巣を除去しません。彼らが多い年はモンシロチョウの姿が減ります。けれどモンシロチョウが絶滅したら、肉食系のハチや野鳥やクモ、カマキリたちは食糧を失うことになるので困る・・・・・モンシロチョウの長い歴史で、天敵からの捕殺で絶滅するようなことは起こりませんでした。

今やすべての生物にとって、最大の天敵はわれわれの現代文明であることは間違いないと思います。もし人間が生態系を必要とする生き物であるなら、人間の最大の天敵もまた人間自身だったということになります。

2017/06/30

2019/05/22 リナリア・パープレアの花にやって来たモンシロチョウ。以下も。










2019/05/23 ハーブのヤロウに吸蜜に来たモンシロチョウ。下の写真も。




2020/11/24 菜園のキャベツを食べるモンシロチョウの幼虫・青虫。

2020/11/18 ミズナの側を飛翔するモンシロチョウ。けれどミズナは好みではないらしく、ミズナが青虫に食い荒らされるのは見たことがありません。

もっともありふれた蝶・・・・・モンシロチョウは全世界の温帯、亜寒帯に広く分布するという。 私が生まれた京都市下京区西七条でさえ少しは現れ、網を持つ数人の子供たちが競って捕まえようとした。捕まえてみると、すでに羽がボロボロになっていました。

私が小学生になったとき、父は京都の実家に近くかつ比較的自然が豊かな大阪府茨木市に移住する決意をしました。その当時、茨木市は田畑がたくさんあって、清らかな小川が流れていました。

新天地の新しい家の側にあった畑の満開の菜の花に、モンシロチョウが何十匹も舞う様子を見て、私はここは天国のようなところだと歓喜しました。そのときの光景と感動を今でも覚えています。だから私にとって、ありきたりな平凡な蝶なんかではありません。