ムクドリ[椋鳥]
White-cheeked Starling

2020年6月5日、駐車場の上の電線上にとまるムクドリ。 英語でWhite-cheekedというようにホオが白いのが特徴。

椋の木(ムクノキ)の実を好んで食べるから椋鳥というらしいけれど、実は雑食性で、害虫を食べる益鳥である一方、モモ、ナシ、リンゴ、カキ等の果樹の実をねらう害鳥でもある。

Wikipediaによると、平均的なムクドリの家族(親2羽、雛6羽)が1年間に捕食する虫の数が百万匹以上と研究され、多大な利益を国家にもたらす「農林鳥」と称えられた時代があったという。

そのご、農村地帯や里山が減少し都市化が進むとムクドリたちは都市に適応していく。NPOバードリサーチによると、住宅地率が80%以上の都市ではムクドリは増加していたのに対し,住宅地率が60%を切る調査コースではその多くが減少していたという。
日本全体ではムクドリは減少している。都市化が著しいエリアにのみ、特殊なケースとして増加しているということです。(NPOバードリサーチ 2020/02)

↓八王子市駅前」の上空を舞うムクドリの大集団の動画 後半部でムクドリを追い払うためのパルス発生装置の音が聞こえます。それがまた不快な騒音です。

「騒音・糞害・・・ムクドリの都市ねぐら問題。自治体の防除策・最前線を探る! 個人宅でも防げるの?」と題されたSUUMOジャーナルの記事 2018/07
自治体が苦慮している様子がわかります。けれどいずれの対策も結局、根本的な解決策ではなく一時しのぎ的な対症療法でしかないようです。 この記事は以下のように結論づけています。

ムクドリ被害は人間の都市開発・宅地開発によって引き起こされたものということが分かります。しかし、都市部ではムクドリ大集団との共生が難しい以上、ムクドリに少しでも本来の生息地である里山へ移り住んでもらえるよう、根気よく防除策を続けていくことが最も大切なのだと感じました。

あまりにも人工的な不自然な行為に対して、自然界は必ずしっぺ返しをします。 それが環境に対してなされる場合もあるし、人体に対してなされる場合もあります。

樹々を伐採してアスファルトやコンクリートで大地を覆いつくし、多様な生物が生存できないようにした結果、ムクドリの天敵たちも棲息できなくなった。 都市であっても、自然と調和し、多様な生きものと共存できる緑豊かな環境づくりをプランニングするべきでした。

それと里山エリアや田園地帯も、多様な野鳥たちが棲息するためには、鳥たちの餌となる昆虫たち等、生物の多様性も確保しなくてはならない。少なくともネオニコチノイド系の農薬をやめる必要があると思います。

あと野菜やフルーツに少しぐらい虫くいがあってもよしとする美学・哲学をみんなが持つ・・・ちょっとの虫くい跡で大騒ぎするなら、やっぱり農薬が必要です。


自然な状態ではムクドリで困ることはあまりないと思います。 エンジェルファームのエリアでは天敵となるトンビ、イタチ、テンたち、あるいはライバルとなる他の野鳥たちも棲息しています。 一種類の生きものが大量発生するのは、不自然な環境だからだと思います。

「サントリーの愛鳥ページ」でムクドリの地鳴きを聞くことができます。 このサイトはこうコメントしています。

駅前のロータリーや街路樹並木を塒(とや:鳥の巣)にして、人に嫌われることも多いですが、農耕地や草原で虫をとるプロフェッショナルですから、畑や芝生のグランドキーパーの役目をしてくれています。

もし人間が本当に「万物の霊長」なら、ムクドリにはムクドリの「適所適材」を考えて、彼らの強みを生かした職場を与えたはずです。

ところが現実には「うるさい、フンが臭い」と言って嫌い、ありとあらゆる方法で都会から追いだそうとしているだけです。もとはといえば人間が彼らの住環境を奪った結果なのに。悲しいことですね・・・