シマヘビ
Japanese Striped Snake

2018年6月1日撮影。西洋ニンジンボクの木で発見。
シマヘビは無毒。人が近づくと素早く逃げていきます。マムシやヤマカガシは毒があるので注意が必要ですが、シマヘビは無暗に恐れるべき生物ではなく、共生できます。

シマヘビは野ネズミやカエルや昆虫類、野鳥を捕食しますが、カラスやタヌキ、キツネ、イノシシなどに捕食されます。足がないのに逃げ足が早い。それと行動が慎重。上手に茂みに隠れながら獲物を探します。

爬虫類、特にヘビを嫌うひとは多い。そんなに嫌わないでください。ヘビは太古の昔から人類に強い印象を与えてきた。人間の心の深層に強い影響をもたらしてきた・・・古今東西、古代文明の時代から宗教や美術、文学の世界にヘビは象徴的に表現されてきました。

生きたヘビと身近に暮らさなければ、古代文明から続いてきた芸術や宗教や文学を理解できなくなると思います。都会のビルのクーラーの効いた研究室や書斎で、パソコンに向かい合っているだけでは・・・・・このような野生の生命の底知れないエナジー、それに対する畏怖畏敬の念がわからないと思います。







2014/05/28 ブログにこう書いています。
脱皮せぬヘビは滅びる・・・ドイツの哲学者ニーチェの言葉です。エンジェルファームの裏庭で、シマヘビが脱皮した古い皮膚を発見。上の写真でまっすぐな白いラインはメジャーです。約1m15cmありました。

皮の頭部。
ヘビの姿は気味悪いといって嫌われます。特に自然からどんどんかけ離れていく都市ではヘビを見かけることが少なくなり、よりいっそうヘビが嫌われているでしょう。けれどシマヘビは毒ももたず人間には何の害もありません。どころか害虫を捕食するので益虫とされています。

かつての日本人は、そんなヘビたちとじょうずに共存していました。ヘビが家のなかにいついても、家の守り神として大切にしました。そうそうヤモリもそうです。家を守ると書いて家守です。彼らが家を守ってくれていること、自分たちに害をなす毒虫を捕殺してくれることを知っていたわけです。

ちゃんと自然を観察し、自然と共生する知恵を持っていた・・・気味が悪いといって地球の同居人を、むやみやたらに殺害してしまうのはあまり賢い文明とはいえないと思います。地球というのは、多様な生き物が共存することで成り立っている生命圏だった。人間が生きていくためにも、人間以外の無数の生命体との共存が不可欠でした。

皮の内側。ヘビは生命力の強さゆえに古代文明の時代から神聖視されてきました。ヘビを神の使いとして信仰する神社もあります。かつてはそういう文明がありました。今の現代文明を脱皮しないとヒト自身が滅びると思います。

2023/10/04
庭を歩いていたら、カエル(たぶんツチガエルかヌマガエル)の悲鳴が聞こえた。ヘビに襲われたときの声です。ヘビやカエルがいない環境で暮らしていたら、何の音かわからないと思います。

カメラを取ってきたときには、カエルを飲み込んだあとだったらしい。このシマヘビだけがいました。シマヘビは、瞬時に逃亡するヘビなんですが、カエルを飲み込んだばかりであるためか、動きが緩慢だったのでこの写真が撮れた。

小学生のとき、まわりのワンパク少年たちの影響で、シマヘビを手でつかむことができるようになった。けれど中学に入学すると、少年たちは勉強や部活動や塾なんかに忙しくなり、カエルや魚や昆虫やヘビ相手に遊んでいる場合ではなくなった。周囲の環境も都市化が進んでいった。

だんだんヘビと出会わない生活になり、大人になると完全にヘビを見なくなり、そのうちヘビが気持ち悪くなり恐くなった。

自然が豊かなここ大分県竹田市に移住し長く暮らすと、再びヘビを隣人とみなすことができるようになった。トカゲやカナヘビやヤモリもそうだけれど、身近に一緒に暮らしていると、嫌悪すべき対象ではないということがわかります。

シマヘビの眼。瞳孔は黒く、そのまわりが濃いオレンジ色。

思いのほか機敏で素早い。小学生のとき、どうやって捕まえたのかな?と思います。

手足無く、しなやかだから、ちょっとした隙間に逃げ込んで隠れる。