たかが虫、という人は多い。
だが虫も生息できぬような環境が人間にとっていいはずはない。草木の受粉は多くの場合虫たちによってなされる。 人間にとって害虫だからといって、必ずしも〝地球〟という生命の維持に無用というわけではない。
高橋千劔破著『花鳥風月の日本史』 第2章「虫の日本史」
子供のとき蝶やトンボやセミやカエルに夢中になりました。おとなになって大阪市に住んでグラフィックデザインの仕事すると大変忙しくなって、私の心のなかから蝶やトンボが消えていきました。
「忙」という字は心を意味する「忄」(立心偏)に「亡」。つまり心を亡くしてしまうこと。当時セミやトンボのことも忘れていました。「忘」も「亡」と「心」を組みあわせた漢字。心を忘れてしまう・・・
やりがいはあったしエキサイティングではあったけれど、その暮らしは私が望んでいたものではありませんでした。心を取りもどすために自然豊かな環境で暮らすことにしました。
2006年9月1日のブログで同じことを話題にしました。猫のミロク曰く「人間界はいろいろ忙しいようだけど、ボクは急がない。 だって、“忙しい”と心が亡くなる。心が亡くなることを“忘”と書く。たいせつなことを忘れてしまうんだ」
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2019/06/20 ハーブのタイムにやって来たベニシジミ。トップの写真は薔薇の花にやって来たベニシジミ。
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2019/06/10 タイムの花で吸蜜。タイムの花が小さいのでベニシジミが大きく見えますが、1.5cmぐらいのごくごく小さな蝶です。
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2018/07/04 アジサイの花にやって来たベニシジミ。休憩しているのでしょうか? アジサイの原種である山アジサイには花蜂たちが吸蜜にやってきますが、このような園芸品種のアジサイはどうでしょうか?
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2020/08/15 玄関まえで水を吸うルリシジミの夫婦。彼らも小さい。ベニシジミより小さい印象がありますが約1.5cmでしょうか。
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2009/07/26 ルリシジミよりさらに小さい印象のあるヤマトシジミ。
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2009/07/26 アゲハチョウのような大型の蝶に目を奪われがちですが、ルリシジミもヤマトシジミも生命を持って飛翔する瑠璃(るり)、青い光を放つJewelryです。瑠璃=ラピス・ラズリ説もあります。
今から35年ほどまえに『瑠璃色の地球』という歌がありました。小さな小さな瑠璃シジミや大和シジミも共に生きていけるような地球であって欲しいと思います。
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2013/10/02 瑠璃タテハといいます。外観は落ち葉や枯葉です。どこが瑠璃?と思いますが、羽の内側に瑠璃色の模様があります。
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瑠璃色の模様が少し見えています。もっと瑠璃色が見える写真を探してここにアップします。
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2019/05/22 リナリアパープレアの花にやってきたモンシロチョウ。
子供のとき、京都市下京区から電車で30分離れた大阪府茨木市に移転しました。下京区は街中なので蝶はたまにしか見かけず、現れてもすでに羽が痛んでいることが多かった。
当時茨木市はまだ田畑がたくさん残っていて、家のそばに菜の花畑がありました。その菜の花に無数のモンシロチョウが乱舞するのを生まれて初めて見て、ここは天国のようなところだと感動しました。
田畑はじきに住宅地に変わり、家のまえに流れていた小川はあっというまにヘドロ臭のするドブになり、すべての環境が急激に変わっていきました。それが「高度経済成長」というものでした。けれどあのとき見たモンシロチョウの姿を忘れることはありません。
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2019/05/22 リナリアパープレアの花で吸蜜するモンシロチョウ
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2019/05/22 水を吸うキタキチョウ(キチョウ)。このとき三匹が一緒でした。
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2017/10/10 ミモザアカシアで交尾するキタキチョウ(キチョウ)。
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2020/06/23 チャバネセセリ、漢字で書くと「茶羽挵」。
挵という漢字、知っていますか? 「挵る」と書いて「せせる」と読むそうです。私は読めません。古語だそうです。
せわしなく蜜を吸ったり飛んだりしている茶色い羽の蝶、みたいなネーミングでしょうか。 蝶なんですが、アゲハチョウなどと比べるとものすごく地味です。
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2020/06/23 地味で結構!注目されなくったっていい。
称賛されなくてもいい。人の評価なんか気にせず、私は私の蝶生を生きるのみと言っているかどうかは知りませんが・・・
チャバネセセリが吸蜜しているのはハーブのマジョラムの花。なかなかヘルシーな食生活です。
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2012/07/15 リスラム・パープルピンク(エゾミソハギ)で吸蜜するイチモンジセセリ。
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2013/05/05 カモミールの花で吸蜜するダイミョウセセリ。
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2014/07/05 シシトウ類の葉で休憩するダイミョウセセリ。
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2018/03/27 菜の花で吸蜜。タテハチョウの仲間だと思いますが名称不明。
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