エンジェルファームの駐車場は「緑の駐車場」です。舗装せず、砂利をしいただけ。「生物多様性駐車場」とも呼んでいます。 多様な雑草が生え、多様な生物がやって来ます。
車のタイアで踏んでも大丈夫？ タイヤで踏まれて、へこたれるような雑草ではありません。私たちは除草剤を使ったことがありませんが、除草剤が散布された場所を観察すると、一時的に雑草が枯れるもののまたじきに復活してきます。
雑草の生命力に感嘆します。 雨ニモマケズ、 風ニモマケズ、雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ、丈夫ナカラダヲ持っています。ミンナニデクノボートヨバレ、ホメラレモセズ、クニモサレズ・・・
仏教詩人の板村真民はこんな詩を書いています。
「たんぽぽ魂」
踏みつけられても
食いちぎられても
死にもしない
枯れもしない
その根強さ
そしてつねに
太陽に向かって咲く
その明るさ
わたしはそれを
わたしの魂とする
板村真民『詩国第二集』
2018/04/13 駐車場のタンポポ。トップのタンポポは2018年4月4日。バッタの赤ちゃんがタンポポの花粉を食べています。実は花粉はたいへん栄養価が高い。
2019/05/21 駐車場を舗装しないと、種をまかなくても多様な植物が勝手に生えてきます。マメ科のクローバーは一度生えると、種が落ちてはびこっていきます。地下茎も伸ばしていきます。マメ科植物は根が根粒バクテリアと共生して窒素固定することができ、栄養の無いやせ地でも生きていきます。まさに「クローバー魂」です。
クローバーの花があると、様々な昆虫が集まって来ます。テントウムシに似た赤い甲虫はクロボシツツハムシ。農業の分野では野菜を食害する害虫とされていますが、エンジェルファームではあまり見かけません。
2019/05/21 ミツバチが吸蜜するためにやって来ます。
2020/11/21 クローバーの茂みにアマガエルが潜んでいます。
2020/05/29 駐車場の草刈り（エンジン草刈り機使用）は、地面から5cm～10cmていど残すようにしています。地面スレスレに刈った方が「きれいになった」と言われますが、 ある程度残します。結果、みんな背丈が低くく密生するようになり、大きな雑草がはびこるのを防ぎます。お互いを抑制しあうのでしょう。
2020/05/07 クローバーとカモミールが共生。カモミールも背丈が低くがっしりした体になります。カモミールは一見弱弱しく見えますが、強い「カモミール魂」を持っています。
2020/05/29 イネ科の雑草と共生するカモミール。「逆境に耐えるチカラ」という花言葉を持っています。
2020/05/29 イネ科の雑草。
2020/05/29 オオバコ。
『雑草という戦略 予測不能な時代をどう生き抜くか』の著者・稲垣教授の素晴らしい記事です » 「踏まれるほど強くなる雑草の凄すぎる生き様・・・逆境の中で合理的に生きるオオバコの生態」稲垣 栄洋 : 静岡大学農学部教授 2020/08/03【東洋経済】
2020/12/01 霜を浴びるイネ科のスズメノカタビラ（推測）。
2020/06/02 朝露を浴びるイネ科のスズメノカタビラ（推測）。
2020/06/02 朝露を浴びる多様な雑草たち。 地球生態系が危機的な状況になっている今、罪なき雑草を除草剤で枯らしたり、罪なき昆虫たちを殺虫剤で抹殺するような文明を転換するときが来ていると思います。 多様な雑草と共生する場所をつくることで、多様な生物の住み家をつくることができます。空き地の雑草を除草剤で枯らすのではなく、生物多様性スペースを創造していく・・・それがこれからの文明の方向性ではないでしょうか？
2020/02/24 駐車場にやってきたハクセキレイ。草むらに潜んでいる小さな昆虫を探しているようです。地表がこんなふうに雑草に覆われている風情が美しいと感じます。そこに色んな生き物がやって来ることも素敵だと思います。
[緑の駐車場]で検索すると色々ヒットするなかで、「景色工房サフラン」というエクステリアの会社の写真に惹かれました。古窯レンガと枕木が使われており、植えられているのはヒメイワダレソウだそうです。お洒落ですね。
「コンクリートの駐車場では味気ない。駐車場をつくると庭のスペースがなくなる。庭を来客時には臨時駐車場に使いたい。限られた敷地を有効活用出来るのが、駐車場兼庭です。時にはテラスになりBBQも出来ます。室内からの眺めも自然な景色がつながります」
名古屋市の日本コンクリート株式会社の「植生用ブロック（緑化ブロック）」もヒットします。「あいち森と緑づくり事業 ～都市緑化推進事業～」というのがあって、「緑の街並み推進事業」のなかに「駐車場の緑化」が含まれています。自治体から助成金が出るようです。
ローマ時代の遺跡のあるスイスのアウグスタ・ラウリカの大きな緑化駐車場(2003)。
新たな時代は世界が一の意識になり生物となる方向にある。 正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである。 われらは世界のまことの幸福を索（たず）ねよう。 求道すでに道である。
『農民芸術概論綱要』序論（1926） 宮沢賢治
約100年前・・・1918年から1919年にかけて全世界的にスペイン風邪（スペインインフルエンザ）が流行して5億人が感染、おそらく5000万人が死亡したという。
日本では当時の人口5500万人の約43%である2380万人が感染、約39万人が死亡したとされる。
兵士たちも多く感染し、そのことが1914年から続いていた第一次世界大戦の終戦を早めたという説もあります。ウイルスが戦争を止めたとも言われています。
スペイン風邪が大流行していたとき宮沢賢治（1896～1933）は22歳。2歳年下の妹トシが感染し、賢治は看病しています。トシは回復したものの約2年半後に肺炎性結核で病死。
賢治はその10年後に当時は「不治の病」だった急性肺炎で亡くなります。37歳でした。
新たな時代は世界が一の意識になり生物となる方向にある。
100年前に30歳の賢治がこう書いた。
けれどそのご時代は騒然となり分裂・破局していく。
1929年 アメリカの株価の大暴落から世界大恐慌が始まる
1933年 賢治が亡くなった年、ヒトラー内閣成立
1937年 日中戦争始まる
1941年 真珠湾攻撃（第二次世界大戦勃発）
1945年 ヒロシマ・ナガサキに原爆投下
1950年～53年 朝鮮戦争
1950年～51年 中国によるチベット侵略
1955年～75年 ベトナム戦争
1986年 チェルノブイリ原発事故
1990年～91年 湾岸戦争
1995年 オウム真理教 地下鉄サリン事件
2001年 アメリカ同時多発テロ事件
2011年 フクシマ原発事故
2019年12月～ 新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の世界的流行
このかん世界中で環境汚染が進み、地球生態系は危機的状況です。 宮沢賢治の理解を実現していかないかぎり、もっと加速的に破局が進行していくでしょう。
現在世界的に流行している新型コロナウイルス感染症（COVID-19）は、2021年1月17日現在で感染者数9450万人、死亡者数202万人。
日本の感染者数は32.5万人、死亡者数4,261人。
2022年2月24日 ロシアのウクライナ武力侵攻開始
新型コロナウイルス感染症（COVID-19）は、今日2023年1月17日現在、日本の新規感染者は12万6989人、死者は357人。累計感染者は3000万人、死者は6万人。
世界では、累計感染者は6億6719万人、死者は672万人。
