学びの庭
We learn a lot from our garden
[以下、エンジェルファームの初期に使っていた文章です。ホームページのトップにかかげていました]
あふれる緑、清らかな水、澄んだ空気、野鳥たちのさえずり・・・
エンジェルファームは大自然の豊かさに恵まれたヒーリングスクールです。私たちは自然との触れあいを大切にしてきました。
太陽や月、星々がきらめく天空と緑の大地が私たちの偉大な“教室”です。 たくさんの蝶、蜜蜂、カエル、バッタ、ミミズ、鳥たちも一緒に暮らしています。
彼らも大切な“先生”です。様々な草花や薔薇、ハーブ、野菜、果樹も栽培しています。それらも私たちの貴重な“教科書”です。
自然を見つめること、感じること、自然を学ぶことが私たちのヒーリングの原点です。 ヒーリングのお仕事には、自然についての理解、自然との内的な調和や一体感が必要だと考えます。
古今東西、古代文明の時代からヒーラー、メディスンマン、魔女たちは大自然のなかでヒーリングを学びました。深い森にわけ入ったり、大樹や大きな岩に触れたり、薬草を集めたり、神聖な湧き水を飲んだり、川で沐浴したり、夜空に輝く星々や焚き火の炎を見つめて瞑想しました。
私たちを生かしてくれている大自然への畏敬や感謝、小さな生命への優しいまなざし、この地球に共に生きる存在への思いやりや愛情・・・・これらがヒーラーの質として必要だと考えます。それを学ぶ場所として私たちはガーデン(庭・大地・地球)を大切に思っています。自然を学ぶことは私たち自身を学ぶことでした。
[以上]

ビー・フレンドリー・ガーデン
Bee Friendly Garden
この地に移住した2002年以前から自給用の養蜂をしたいと思っていました。
ミツバチを可愛がって、そこからハチミツが得られるなんて素敵だなと思っていました。
でも当時はネコがたくさん生まれたり、ウサギやニワトリも飼ったので、養蜂は後回しになりました。
とりあえず養蜂の準備段階としてミツバチたちが喜ぶ蜜源植物を育てておこうと思いました。それが世界で「ビー・フレンドリー・ガーデン」(Bee Friendly Garden)と呼ばれていることは、ずっとあとになって知りました。
それとビー(Bee)=ミツバチではなく、海外では花粉媒介(ポリネーション/ Pollination)するハナバチ、花粉や花の蜜を食べるハナバチたちの総称であることも、あとになって知りました。
・ミツバチ Honey Bee(ハニービー)
・マルハナバチ Bumblebee(バンブルビー)
・クマバチ Carpenter Bee (カーペンタービー)
・単独性ハナバチ Solitary Bee (ソリタリービー)
以前は、何となくミツバチが花に来ていると思っていたのが、よく観察するとヒゲナガハナバチだったりすることがわかりました。近年は多様なハナバチたちに注目するようになり、もっと注意深く自然を観察できるようになりました。
またミツバチを飼うと、そのエリアのハナバチ(Bee)たちの個体数と多様性が低下するとの研究もあり、現在は養蜂をあきらめ、マルハナバチ、クマバチ、単独性ハナバチといった多様なハナバチに優しいガーデニングをめざしています。

ポリネーター・フレンドリー・ガーデン
Pollinator Friendly Garden
花粉を運び植物の他花受粉を助ける生物はハナバチBeeだけではありません。 ハナアブやハエ、チョウ、ガ、コガネムシなどの甲虫、バッタ、カメムシ類、カタツムリ、メジロ等の鳥類も花粉媒介者(ポリネーター)です。
植物の8割が被子植物、その被子植物の約90%が花粉の送粉をポリネーターに頼っています。 ところが農薬や除草剤、生態系の破壊、気候変動等によって世界的にポリネーターたちが減少しており、主に農業分野で深刻な問題となっています。このまま事態が悪化すると食糧問題にもなってくることが予想されています。
私たちはエンジェルファームの設立当初(2002)より農薬や除草剤を使用せず、自然を学び自然と調和するガーデニングに努めてきました。私たちが大切にしなくてはならないポリネーターたち・・・彼らの写真を発信して、彼らのことを広く知ってもらえるように努力したいと思います。


生物多様性の庭
(バイオダイバーシティ・ガーデン)
Biodiversity Garden
光という神秘、水という神秘、大気や大地という神秘が生命を育む奇跡の星に私たちは生きています。私たちはみんなこの星に生を受けた不思議な生命体のひとつです。
人間は自分たちこそこの星の主人公であると考え、快適・便利・衛生的な生活のためには他の多くの生命体がいなくなってもかまわないかのように暮らしています。
ところが地球生態系は、多様な生命体が共存することによって 成立し維持されてきたのでした。
その生態系のバランスが崩れることによって 人間は今、巨大なしっぺがえしを受けています。 が、まずは身近な生命のことをもっと知らなくては・・・・、そのためには、京都の庭師・佐野藤右衛門さんが提案されるように、ガーデニングが大変役に立ちます。
今なあ、自然破壊やら地球温暖化防止やら、 いろいろと声を上げておる人がようけおるやろ。 それも大事や。わしもだいぶ前から、 自然がおかしくなってきとる、と思うてたんやから。
木を育てる仕事をやっとるとなあ、 自然ちゅうもんがどんどん壊れていくのを、肌で感じんのや。 けど、そうしたのは、人間やで。 人間が勝手に人間だけの都合で、ものを進めてきたからなんや。
もう人間は、自然との接し方がわからんようになってきてる。 というより、「人間は自然の一部」という基本を忘れてしもてんねん。 で、大上段に言葉だけで自然保護を叫ぶのはあかん、と思うんや。
そやのうて、わしらひとりひとりが、土と語り、水と語り、 木と語っていくことが大切なんや。
それが、自然を知ることや。 どうやって自然と語るのかって? そうやなあ、庭をつくってみるのはどうや。 庭の基本は、土と水。それに木や。 立派な自然と思わへんか。
地球上のあらゆる生物が生息できて、人間も楽しめるのが、庭なわけや。
天保3年(1832)創業
京都・植藤造園16代目
佐野藤右衛門
「木と語る」小学館
1999/10/1刊行
ガーデニングはヒーラーやセラピスト、自然療法家の基礎教養だと、私たちは話してきました。
多様な生命との共生・・・そのことを考え取り組みました。健全な環境には多様な生物が生息しています。不健全な環境には生物の多様性がありません。
そのことは土壌環境においても同じです。健全な良い土には多様な微生物、菌類、バクテリアたちが生息しています。
私たちの腸内環境も同様です。 腸内細菌の多様性が失われると病気になりやすく、肥満や老化を招きやすいことが知られています。
» 健康に必須なのは腸内フローラの多様性【WIRED】
また皮膚の常在菌の多様性が失われると、肌のトラブルを招きやすいことも知られています。
» 資生堂、敏感肌では皮膚常在菌叢の多様性が低いことを発見【2020/08/19 資生堂】
上の記事で資生堂はこんなふうに宣言しています。
今後資生堂は、肌を、皮膚細胞と共に常在する微生物を含めた生態系(エコシステム)としてとらえ直すことにより、新しいスキンケアソリューションの実現を目指していきます。
つまりガーデンで栽培する花や野菜や果樹であれ、ガーデンの土であれ、私たちの肌であれ腸であれ、微生物を含めた生態系(エコシステム)の生物多様性が重要だということです
» あなたの体は9割が細菌/アランナ・コリン 【2019/01/26棚橋弘季】

ワンネス Oneness
心配事や迷い、悩み、怒り、憎悪、欲望でいっぱいになっていると、視野が狭くなっていきます。仕事や雑事に追われて忙しくしていても視野が狭くなっていきます。そうして本当に大切なことを見失うことになります。
壮大な宇宙のなかの小さな星のなかで、一番偉いと思っているサル(ホモ・サピエンス)たちが、絶え間なく縄張り争いしています。利権争いのために、たくさんの同胞を殺害します。肌の色や宗教上の解釈をめぐる相違のために仲間どうしの殺し合いが絶えません。
けれど、目を閉じて内側を感じてみると、そこには意識があります。忘れていただけで、それはいつもあって、いつでもそこに帰ってくるのを待っています。それはアタマのなかの小さなオシャベリ(思考)ではありません。そこにはオシャベリがありません。
そこには人種や宗教や国境、国籍がありません。それは私の意識、あなたの意識というような所有格がつくような、“私”や“あなた”に属するものではありません。私のカラダ、私の妻、私の子供、私の会社、私の国、私の神というような“私”の所有物ではありません。
ヨーガであれ、禅であれ、神道であれ、先住民族の神秘主義的伝統であれ、キリスト教やユダヤ教やイスラム教の神秘主義的伝統であれ、古今東西あらゆる精神文明は、このような意識につながるための瞑想法を持っています。
最近、アメリカ合衆国オレゴン大学の神経科学 Neuroscienceの教授、マージョリー・ウーラコット Marjorie Woollacott博士の次のような表現が気に入っています。
私たちの分離の感覚は、個人と惑星の両方の苦しみを生み出すものです。
Our sense of separation is what produces both individual and planetarysuffering.
惑星の変化の鍵は、瞑想のなかで経験した一体感(ユニティの感覚/ひとつであるという感覚)と、このひとつであるという意識(気づき)から自然に現れる思いやり(慈愛/コンパッション)であると提案します。
I propose that a key to planetary change is the sense of unity experienced
in meditation and a feeling that naturally emerges from this unity awareness:
compassion.
私たち人間が分離の幻想を超えれば、私たちはより幸せな個人になり、これがより健康(健全)な惑星につながるということです。
My premise is that once we, as human beings, go beyond the illusion of
separation, we become happier individuals and this leads to a healthier
planet.
惑星の変化の鍵は「Oneness」の意識・・・・・けれど、これは親も学校も社会も教えることはできません。学問や哲学や思想なら学校で学ぶことができる。知識や情報を学び、暗記し、試験の答案用紙に正しい回答を記述れば理解・合格したとみなされる。そのやり方で生物学やエコロジーなら学べるかも知れません。
けれどそんなやりかたでは「愛」や「慈愛」や「美」を学ぶこともできません。そのように「Oneness」を学ぶことはできません。マージョリー・ウーラコット博士は、「瞑想のなかで経験した一体感」とおっしゃる。
さあしかし「瞑想」とはいったい何でしょうか? 親も学校も社会もそれについて答えることができません。どころか、怪しいとみなすひとも多い。かつて禅文化が花咲いた国なのに。
瞑想を意味するインド古典語・サンスクリットの「ディアーナ」が語源となって「禅」という言葉が生まれました。本来、わが国には瞑想から生まれた文化があったし、「一如」とか「山川草木悉皆成仏」という理解がありました。それはまさに「Oneness」の理解でした。
ウーラコット博士の発言をもう少しメモしておきます。
Meditationは、唯物論的な科学的基盤 Materialistic scientific foundationを超えて私の視野を広げ、他の人々とのエネルギー的なつながりだけでなく、私自身よりも大きな意識を持っていることを認識させてくれました。
私が他のすべての人とのつながりを感じるのは、この拡大された意識のなかです。より大きな全体の一部であるというこのつながりの感覚は、深い慈愛 Compassionの感覚、つまり他者や地球全体への慈愛です。
Meditationを研究し、その効果を測定したいという気持ちが高まりました。科学者として、Meditationが脳や私たちの行動に測定可能な変化をもたらすかどうかを知りたかったのです。
私はまた、私自身のMeditationで経験したような、包括的な意識の存在 the presence of an overarching consciousnessを示唆する科学的証拠(エビデンス)を見たいと思いました。
彼女がこういう研究をしたいと申し出たとき、大学当局は「Meditationだと? そんな非科学的な怪しいものを研究したいだなんて、あなたには失望した。あなたはクビだ」とは言わなかったんです。
どころか彼女の研究はアメリカ国立衛生研究所 NIH(the National Institutes of Health)と国立科学財団 the
National Science Foundationが資金提供してきたそうです。

