ジョウビタキの女の子
Young Female Daurian Redstart

2023年10月末、エンジェルファームにやって来ました。ジョウビタキの若い女の子です。ヴィラモ(桂子)は、子供のころからたくさんの小鳥を飼ってきて、今も鳥のことが大好きです。そういう感じが野鳥にも伝わるのかも知れません。

ヴィラモの仕事場のすぐ外ににある物干しざおにとまって、ヴィラモの様子をうかがっています。サッシの窓ごしに見ているんです。写真も窓ガラス越しに撮りました。

2023/11/02 やって来た当初は、朝から晩までヒッヒッヒッヒッという声をだしていましたが、それはナワバリを主張するためだったようです。

物干しざおにとまったら静かにヴィラモのことを見ていました。ときどき部屋に入ろうとして窓ガラスに当たりました。ヴィラモが開けてやると、部屋のなかを飛んだり、いろいろ冒険しました。

特にお気に入りは洗面所の鏡。いったいどう理解しているのでしょうか? ずうっと自分の姿を見たりして、そのうち鏡の向こうに行こうとして、頭をぶつけてしまいました。

2023/11/04 危ないから、布をかけて鏡を隠すと布の隙間に入り込んで、鏡を見ています。写真では、くちばしを大きく開いているように見えますが、下のくちばしは、鏡に映った閉じたくちばしです。

2023/11/05 サザンカの樹です。左にジョウビタキのオスがとまっています。右がここに住みついたメスです。求愛行動はしません。日本では繁殖しません。来春、ロシアか中国の極東地域に戻って繁殖します。そのときには求愛しあうことになるのでしょう。

2023/11/17 うちの車のミラーに興味津々。自分だと思っているのか、仲間だと思っているのか、それがわからなくてじっと見つめているのでしょうか? 車がフンで汚れますが、ヴィラモは気にしません。

ミラーに近づいたり離れたり、長時間、ミラーのまえで過ごしています。

車のなかも観察します。時々雨がふる悪天候でしたが、この子はお構いなく、ここで遊びます。

2023/11/18 突風が吹く悪天候だったんですが、この子はミラーが気になってしかたがないようです。

彼女のフンの拡大。紫色なのは、野ブドウのせいです。よく見ると、種が消化されすに混ざっているのがわかります。この子がエンジェルファームにやって来たときから、野ブドウをついばむ様子を見ることができました。あと、小さな昆虫も食べているようです。それにしても、彼女はそうとうたくさん実を食べているようです。

2023/11/18 こちらが野ブドウの様子。お店で売っているブドウの原種。小さな粒です。ちょっと前まで酸っぱかったけれど、今は甘い。甘いといっても、小さくて、種の面積が大きい。人様の食用になるものではない。

けれどジョウビタキのような渡り鳥たちにとっては、貴重な食べ物だと思います。この季節、ロシアや中国の彼らが生息しているエリアは雪でおおわれ、食べ物がない。ここ日本の九州だって、この季節はいっぱい果実があるわけではないし、小さな昆虫たちも少ししかいない。野ブドウを育てておいた甲斐があったと思います。


よく考えると、ブドウたちは自分たちの子孫を増やすために、鳥たちに遠くに種を運んでほしい。人間に食べて欲しいのではない。鳥たちに食べてもいいよ、という合図を送るために甘くなる。野ブドウは人間ではなく、鳥たちに食べて欲しい。

私も何粒か食べてみました。種がまだ未熟なときは、果肉が酸っぱかった。それは、種が熟すまでは食べてはダメですよというサインだった。渋柿が渋いのもそういう合図でした。ジョウビタキの女の子はいいタイミングでエンジェルファームにやってきました。

ジョウビタキ
Daurian Redstart