ハナアブ

薔薇と生物多様性
Rose & Biodiversity

上下の写真は2019年5月13日。薔薇「ニコル」にやって来た小さなハナアブ。以前は見落としていました。米粒程度の大きさだし、ちょこまか動くから。近年、連写モードで撮ることを覚え、その画像をパソコンで拡大してみて、こんな姿をしていることを知りました。

ハナアブ

2019/05/13 こんな小さな子たちが薔薇の香りや色に誘われてやって来て、栄養価の高い蜜や花粉を食べます。人間は薔薇の美しさに魅せられるけれど、昆虫たちにとって花は素晴らしいレストランです。

2016/05/21 花にやってきて蜜や花粉を食べるアブのことをハナアブというけれど、実は、いわゆるアブではなくハエの仲間だそうです。この子なんかはまさにハエのカタチをしています。でもハナバエとは言わずハナアブと言うらしい・・・

ミツバチやマルハナバチは長く伸びる口吻で蜜を吸いますが、ハナアブたちはハエみたいになめます。ハエのように手足を擦り合わせる動作もします。この子たちは手足で味覚を感じることができる。だからいつも手足をすってキレイにしておくそうです。

やれ打つな蝿が手をすり足をする  

やれ農薬打つな・・・一茶と同じ気持ちになります。

2020/02/22 花粉をなめるミナミヒメヒラタアブ。体長1cmほどの可愛いハナアブ。

ハナバチ

2021/05/23 薔薇「ドルトムント」のオシベにやって来た蟻サイズの単独性ハナバチ。社会性が高度に進化したミツバチと違って、単独性ハナバチたちはマイペースに働いています。花蜂界のほとんどのハナバチが単独性です。

ハナバチ

2021/05/23 上のハナバチです。後ろ脚に毛が密集しており、そこに花粉がいっぱい付着しています。本当に小さいので、こういう子たちの存在を知らないひとがほとんどです。

ヒゲナガハナバチ

2021/05/23 薔薇「ドルトムント」にやって来たヒゲナガハナバチのメス。ミツバチより少し小さい。実は私も長いあいだ、このハチのことを認識していなかった。なんとなくミツバチが来ているぐらいに思っていました。

オスはヒゲ、ではなくて触角が非常に長いので、明らかにミツバチではないハチだと認識していたんですが、メスはミツバチと混同していたと思います 。

ミツバチ

2018/11/06 こちらがミツバチ。

トラマルバチ

2021/04/26 ナニワイバラの花弁のなかで興奮するトラマルハナバチ。トラマルハナバチを興奮させるような植物性化学物質を出しているのでしょう。

トラマルバチ

2021/05/06 薔薇「ドルトムント」で吸蜜するトラマルハナバチ。

ベニカミキリ

2021/05/06 薔薇「ドルトムント」で花粉を食べるベニカミキリ(ヘリグロベニカミキリかも知れない)。幼虫は竹を食べるので害虫とされる。

ヨツスジハナカミキリ

2021/06/25 薔薇にやってきたヨツスジハナカミキリ。成虫は花の花粉を食べる。

2021/06/25 薔薇の花芯に潜ろうとしている。

2021/06/25 薔薇の花芯に潜る。

201/06/24 ツユムシが花粉を食べに来た。

ヤブキリ

2018/06/22 ヤブキリが花粉を食べに来た。

2019/05/13 薔薇「ドルトムント」で休むバッタの赤ちゃん。

2018/05/12 薔薇で何しているの? 小さなバッタ。

ミヤマフキバッタ

2019/06/16 ミヤマフキバッタがアマガエルに気づく。

ミヤマフキバッタ

2019/06/16 アマガエルもミヤマフキバッタに気づく。ミヤマフキバッタあわてる。

トノサマバッタ

2020/10/31 薔薇の花にいたトノサマバッタ。トノサマバッタは茶系と緑系がいる。

子供バッタ

2020/10/01 子供バッタ(ミヤマフキバッタ?)が何かを食べている。新芽でないことを祈りたい。新芽についたアブラムシを食べてくれていると思いたいけれど・・・

ミヤマフキバッタ

2020/10/01 薔薇の枝につかまる子供バッタ(ミヤマフキバッタ?)。親は守ってくれない。大自然のなかでひとりで生きていかなくてはならない。

2021/05/25 いきなりすみません。マイマイガの幼虫です。ごくごく幼い時(卵からかえったばかりの幼虫期)には毒針毛があって触れると皮膚炎を起こすという。写真ほど大きくなったやつは、気色が悪いだけで、毒はないそうです。素手で触ってみたことがないので何とも言えませんが。

2021/05/25 こいつが薔薇の葉をがんがん食べてくれるんです。数年前、ずいぶん悩まされました。見つけ次第、ゴム手袋でつかまえて捕殺。あるいはハサミで切りました。

本来生息しない北米に持ち込まれて、山脈全体がハゲ山になってしまうほどの被害をもたらすそうです。天敵がいないから爆発的に増える。「世界侵略的外来生物ワースト100」にも選ばれており、世界的に超有名な毛虫です。

エンジェルファームでは最近、この毛虫にあまり悩まされなくなった。そのことについては後で書きます。

2016/05/19 これはまた違う毛虫だと思うんですが、薔薇の葉をバリバリやっている様子。

 

2020/06/24 薔薇の樹にはこんなやつもいます。枝に化けている。エダシャクというらしい。

ツウレンジハバチ

2016/05/18 薔薇を栽培したひとなら知っていると思います。このかたたち、チュウレンジハバチといいます。小さな幼虫だと甘くみていると 、あっというまに薔薇の葉が食い尽くされる。 でも最近は、そんなに悩まされなくなったんです。それはたぶん下記のような事情だと思っています。

2020/08/22 薔薇の葉の上で何かの幼虫を捕まえて噛み砕いているコアシナガバチ。巣に持ち帰るためにコンパクトな塊にしようと噛み砕きます。自分が食べるためではないんです。

実は私は毎年アシナガバチに刺されます。庭が広いので、草取りや剪定を手早くしようと焦ると、ついついアシナガバチの巣に触れてしまうんです。特に暑いとき、疲れてきたときに不用意に手を突っ込んでしまう。

それで数年前までは、アシナガバチの巣を見つけ次第、巣を樹から切り離して地面に落としました。そうすると、もうそこには巣を作りません。落ちた巣から幼虫やサナギを救い出して、どこか遠くに移動させるみたいです。

2020/06/07 薔薇の枝にコアシナガバチの巣作り。数年前から、これをこのまま置くことにしたんです。そのかわり、黄色い紐をぶらさげて注意することにしました。

すると肉食系の彼らが、いろんな毛虫や芋虫を捕まえてくれているようです。私が知らなかっただけで、オーガニックの園芸や農業をするひとたちにとって、アシナガバチは大切な存在だったんです。

2021/04/27 薔薇のツボミにとまるコアシナガバチ。彼らは朝から晩まで隅々までパトロールして回ります。私たちにはマネできません。目立つ場所で毛虫や芋虫を発見できるだけです。もし農薬を使いたくなければ、アシナガバチたちと仲良くなることです。

アシナガバチは巣に触れると、攻撃されたと思って自衛のために刺します。そんな荒っぽいことをしなければ、けっして襲ってはきません。大きな声では言えませんが、世界で一番恐い暴力的な生き物は人間だと思います。アシナガバチなんて、本当はちっとも恐くないんです。

カマキリ

2020/10/05 薔薇の花にすくっと立つカマキリの後ろ姿。いったい何を見ているの? カマキリも薔薇を食害する昆虫を捕殺してくれるたのもしいやつです。けれど、人間のためにそうしているのではない。

多様な生き物が生息することで、一部の毛虫や芋虫だけが大量発生することがなくなるんです。毛虫や芋虫も多様な生き物たちにとって非常に重要な食糧です。人間が嫌うだけで、実は大変なご馳走なんです。だから害虫が一匹もいない庭なんて、それはアウシュビッツのようなところに違いありません。

2020/02/06 真冬にミジロのつがいが薔薇にやって来ました。何かをついばんでいます。

2020/02/06 くちばしで何かを捕まえました。もし農薬散布しなければ、薔薇は多様な生命の住み家になります。多様な生命を友として家族として恋人として一緒に暮らす。そのことを楽しむ、それがこれからの新しいガーデニングだと感じています。