ヤマトアシナガバチ ヤマトアシナガバチ

ヤマトアシナガバチ
Polistes rothneyi

上下の写真は2021年4月7日、オルレアの花で吸蜜するヤマトアシナガバチ。この様子を見たら、ハナバチ(Bee)そのものです。でもミツバチと違って蜜や花粉は巣に持ち帰らず、自分のための栄養とするようです。

つまりこれは労働の姿ではなく、花という素敵なレストランで過ごす至福の瞬間。ミツバチにはそういう時間があるのでしょうか? ミツバチの働きバチ(全員女の子)は、とにかく忙しくて、くつろいでいる子を見たことがありません。

多くの花はミツバチに来てもらいたい。ミツバチが蜜を集めるときの行動範囲は2〜3kmだそうです。2kmを往復したとすると1回の飛行で4km、そんなことを1日に10回も繰り返す。1日40kmも飛行するんです。

ということは、それだけ広範囲に花粉を配送してくれることになる・・・こんな優秀なポリネーター(花粉の運び屋さん)はいないと思います。ただし、花によって色んな考え方・生き方があって、他のポリネーターを好むものがかなりあります。このオルレアの花もミツバチよりハナアブが多くやって来ます。

ヤマトアシナガバチ

2021/04/07 夢中に食事する後ろ姿。
ヤマトアシナガバチは栃木県、群馬県、埼玉県で絶滅危惧1類、茨城県、神奈川県で絶滅危惧2類となっています。東京都は「情報不足」となっていますが、絶滅かも知れません。環境省のカテゴリでは「情報不足」に分類されています。

愛媛県レッドデータブックは「情報不足」に指定しながらも、このように記述しています。

県内に広く生息し、かつては普通の種であったようだ。近年でも生息情報はまだあるが、いずれの生息地でも少なくなっている。愛媛大学ミュージアムにも最近の採集標本は保管されていない。

ヤマトアシナガバチ

2021/04/20 オルレアで吸蜜。

ヤマトアシナガバチ

2021/04/20 オルレアの花で。

ヤマトアシナガバチ

2021/04/20 オルレアの花で。

ヤマトアシナガバチ

2021/04/20 マメ科の雑草カラスノエンドウにひきつけられる。なぜこんな小さな花にひきつけられるのか・・・多分、いい匂いがするのではないでしょうか? 

高度に進化した社会性ハチであるアシナガバチは、幼虫のために蛾や蝶の幼虫を捕獲して巣に持ち帰る任務があるんですが、これって街角で何かいい匂いが漂ってきて、ついついカフェで油を売ってしまった・・・みたいな状況ではないでしょうか?

ヤマトアシナガバチ

2021/04/20  任務を忘れカラスノエンドウで油を売る。

ヤマトアシナガバチ

2020/08/27 これエンジェルファームで使っていたセラピー用サイドテーブル。古くなったので引退し、野外のちょとした整理棚にしていました。そこにヤマトアシナガバチが巣を作っているのを桂子が見つけました。

ヤマトアシナガバチ

2020/08/27 刺されるのを覚悟して、がんばって撮りました。

ヤマトアシナガバチ

2020/08/27 上の写真の部分拡大。みんな懸命に仕事をしています。この子たち、凶暴じゃないんです。この子たちに殺虫剤を噴霧しないでください。

ヤマトアシナガバチ

2020/11/04 観察は続けていたんですが、まったく久々に巣の様子を撮りました。

ヤマトアシナガバチ

2020/11/11 その日、「巣に誰もいなくなった!!!」と桂子が言いました。確かに一匹もいなかった。夕方巣を切り離して撮りました。

ヤマトアシナガバチ

2020/11/11 立派な巣。

ヤマトアシナガバチ

2020/11/11 円形ユニットの立派な巣。