スワヤンブナート

頭頂眼・松果体・第三の眼
Parietal eye・Pineal gland・Third eye

ネパールの首都カトマンドゥにある仏教寺院スワヤンブナート。仏塔には仏陀の知恵の眼(ブッダアイ)が四面に描かれている。私は1993年に訪問しました。

当時、メモ帳代わりに持ち歩いていた安価なコンパクトカメラで撮ったものがありますが、できが悪いので、Wikipedia に掲載されている松岡明芳氏の素晴らしい写真(CC)を使わせていただきます。

スワヤンブナート

眉間に第三の眼があります。古代から続くインドの瞑想の伝統では第六チャクラ(アジュナ)と呼ばれます。チャクラはスピリチャルなエナジーのセンター(中枢)です。インドで生まれた仏教もその流れをくむので、仏像や仏画に第三の眼が表現されます。奈良の大仏のように。

その第三の眼のルーツが、昆虫などに見られる頭頂眼(単眼)であることをご存知でしょうか? 


01 昆虫たちの頭頂眼(単眼)
The simple eyes of insects

昆虫の二つの複眼は像(イメージ)や色彩を映し出す進化した眼です。頭頂眼(単眼)は光を感じる原初的な眼です。光を感じる眼ということが、松果体や第三の眼の話題につながっていきます。

カマキリ

2020/11/25 玄関先にいたオオカマキリ。まもなく産卵して、戦士としての一生を終える時期です。

カマキリ

上のオオカマキリの頭部拡大。二つの大きな複眼の間に、小さな頭頂眼(単眼)が三つあります。“m”は、monocular(単眼)の“m”を採用したんですが、海外のサイトを見ると普通はSimple eyeというようなので、そのうち“s”に直します。

ナミハナアブ

2020/05/21 カモミールの花で蜜や花粉をなめるナミハナアブ。

ナミハナアブ

上のナミハナアブの拡大。大きな複眼のあいだが丸く盛り上がって、その上に三つの頭頂眼があります。

コアシナガバチ

2019/07/16 巣のケアをするコアシナガバチ。

コアシナガバチ

コアシナガバチの頭部の三つの頭頂眼。

2020/9/22 クマバチを捕獲したオオスズメバチ。

スズメバチの頭部の三つの頭頂眼。

2021/4/27 ハナショウブの花で吸蜜が終わったヒゲナガハナバチ。

ヒゲナガハナバチの三つの頭頂眼。

薬草のオトギリソウの小さな花で吸蜜する蟻サイズのアカガネコハナバチ。

アカガネコハナバチの三つの頭頂眼。

アブラゼミ

2016/07/23 羽化して飛び立つまえ、じっとしているアブラゼミ。

アブラゼミ

アブラゼミの三つの頭頂眼。

アブラゼミ

2016/08/17 岩につかまって休息するトノサマバッタ。

アブラゼミ

トノサマバッタの頭頂眼。


02 第三の眼のしるし
Sign of the third eye

インドの女神ラクシュミー。眉間には頭頂眼、・・・ではなく第三の眼が描かれています。ラクシュミー女神は、仏教に取り込まれて「吉祥天」になりました。

インドで最も愛され尊敬されてきた歌手、ラタ・マンゲシュカールが最近92歳で天寿をまっとうされました(2022年2月6日)。これは若いときのお姿。眉間に第三の眼のしるし。

ラタ・マンゲシュカール、2008年のお姿(Wikipedia)。1992年から93にかけてインドに滞在したとき、彼女のことを知ってカセットテープを買いました。帰国後もテープが伸びるほど何度も聞きました。生涯3万曲もの歌曲を歌ったという。彼女はいつも眉間に赤いしるしを付けていた。

チベットのタンカ。チベット仏教の掛け軸をタンカという。これは曼荼羅。私は美術出身なので、このような絵を描くのにどれだけの時間と努力と集中がいるか、それを考えると恐ろしくなります。非常に緻密な構成のうえに色彩が施されています。ただただ圧倒されます。

上の曼荼羅の中心に描かれている仏陀。眉間の第三の眼。

こちらもチベットのタンカ。

上の部分拡大。

17世紀、ブータンのタンカ。仏教とタントラの融合です。日本では空海が唐に留学してタントラ仏教を学びました。 彼が持ち帰った般若理趣経は普通の仏教と違い、色も音も香りも味も、いっさいの欲望すべてがピュアな菩薩の境地であると説く。原典は「清浄」という言葉を採用。

上の部分拡大。

鳥毛立女

奈良正倉院所蔵の宝物「鳥毛立女(とりげのりつじょ)」。唐風の樹下美人を描いている。奈良時代の作。

鳥毛立女

眉間に四つの単眼、ではないけれど・・・その位置に何かがあることを知っていた。

法隆寺金堂壁画「観音菩薩像」(昭和24年に焼損)。奈良時代作。

眉間のしるし。

奈良・内山永久寺伝来「愛染明王」。この寺は明治政府の廃仏毀釈令によって廃寺になり、現在は東京国立博物館所蔵。鎌倉時代の作。

愛染明王は金剛薩埵菩薩の化身。タントラ仏教なので、怒りが清浄な菩薩の境地として表現される。

奈良・東大寺の大仏。大きな眉間の第三チャクラのしるし。東大寺は華厳宗。大仏は「毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)」。サンスクリット語の「ヴァイローチャナ」の音写。ヴァイローチャナは、光り輝く太陽を意味します。

タントラ仏教である真言密教では「マハヴァイローチャナ」を音写して「摩訶毘盧遮那(まかびるしゃな)」といいます。「マハ」は偉大なという意味で、「マハトマ・ガンジー」の「マハ」です。「摩訶」はその音写。「摩訶不思議」の「魔訶」です。

光輝く偉大なる太陽という意味なので、真言密教は「大日如来」と呼んでいます。わが国には、このような第六チャクラを表現した仏像や仏画が無数にあります。

{続く}