西洋ニンジンボクで吸蜜するクロマルハナバチ

クロマルハナバチが心配
Worried about Bombus ignitus

環境省は、クロマルハナバチを「準絶滅危惧」というカテゴリに入れていますが、 日本のレッドデータ検索システム:クロマルハナバチを見ると、関東や関西、福岡県、宮崎県などですでに絶滅危惧種に指定されています。(2021年6月の時点で、東京都と神奈川県で絶滅種とされていることを含めて16の都道府県でレッドデータリスト掲載種となっています)

京都府レッドデータブック:クロマルハナバチ を見ると事態の深刻さがわかります。

もともと平地ではトラマルハナバチやコマルハナバチに比べて個体数は多くない種であるが、1980年頃までは京都府市内でも深泥池や東山近辺ではまずまず普通種であったが、最近、京都府市の市街地はもちろん貴船や芦生でさえほとんど姿を見ないくらいに減っており、ほぼ全域で絶滅が危ぶまれる。

エンジェルファームでは一昨年(2019年)までは、豊富に飛んでいました。ところが去年(2020年)になって、いつまでもクロマルハナバチが現れないので心配しました。7月2日になってようやく西洋ニンジンボクの花にやって来ているのを1匹見つけました。それがトップの写真です。

その後も群れでやってくる様子はなく、他の花でも発見できませんでした。さあ今年どうなるか、注視したいと思っています。上記京都府レッドデータブックにはこんなことが記されています。

原因は不明だが、クロマルハナバチの個体数は激減している。コマルハナバチはまだ比較的よく観察される。場所にもよるが、コマルハナバチは5~6月に集中的に活動するので、それなりの個体数を維持しているようである。自然植生の大きな変化が、なんらかの形で影響している可能性も高い。

1960年代の初めに、宮本セツ氏は農薬の乱用や自然植生の単純化の進行にともない、特にクロマルハナバチが減少しつつあると先見の明をもって警告している。残念にして近年、事態は破局的に展開している。


ナショナル ジオグラフィックは、こんなふうに述べています↓
「マルハナバチが絶滅に向かっている、原因は高温 」[National Geographic] 世界の農業を支える重要なハチ、衰退と気温の相関性を調査(2020/02/12)

2019年夏は大変過酷な暑さでした。そして2019年12月から2020年2月までの冬季は記録的な暖冬でした。梅も1月末には開花し、他の様々な植物も早く開花し、新芽がふきでるのが早かった。そうそうカマキリも冬季に孵化した卵もありました。こんな時期に孵化しても食べ物がないだろうと心配しました。

そして春になって急に寒くなったり霜が降りたりして、梅も柿も不作になりました。あんまり早く開花すると、結実期に寒のもどりをくらって不作になることがあります。去年クロマルハナバチをほとんど見かけなくなった原因が気象によるものかどうかはわかりませんが、思い当たることのひとつは前回の暖冬と春の霜でした。

一方で、お隣の福岡県も宮崎県も絶滅危惧種に指定されています。大分県で減少が進んでいるとしてもおかしくはありません。

西洋ニンジンボクで吸蜜するクロマルハナバチ

西洋ニンジンボクで吸蜜するクロマルハナバチ

西洋ニンジンボクで吸蜜するクロマルハナバチ

西洋ニンジンボクで吸蜜するクロマルハナバチ

2020/07/02 トップの写真と同じクロマルハナバチ。

西洋ニンジンボクで吸蜜するクロマルハナバチ

2020/07/28 同じ西洋ニンジンボクで。

マロウの花で吸蜜するクロマルハナバチ

2019/05/13 ハーブのマロウで吸蜜。

クロマルハナバチ

2019/05/13

クロマルハナバチ

2019/05/13

マロウの花で吸蜜するクロマルハナバチ

2019/05/29 マロウとクロマルハナバチ。

フジの花で吸蜜するクロマルハナバチ

フジの花で吸蜜するクロマルハナバチ

2018/04/18 フジの花にやって来た。

ムシトリナデシコの花で吸蜜するクロマルハナバチ

2018/06/02 ムシトリナデシコで吸蜜。

マロウの花で吸蜜するクロマルハナバチ

2017/07/13 西洋ニンジンボクの花で吸蜜。

» 精霊の庵 - 無名の絶滅危惧昆虫 : クロマルハナバチ

復活クロマルハナバチ2021
Resurrection Bombus Ignitu2021