野鳥のさえずりが聞こえない。野鳥の姿を見ない・・・・・
それは野鳥がいなくなったからでしょうか?
実は都心にだってたくさんの野鳥が生息しています。
鳥たちの声が聞こえない、姿が見えないとしたら、たぶん仕事や雑用に追われ、いろんな思考や情報でアタマがいっぱいになっているからだと思います。私がそうでした。むかし大阪でグラフィックデザインの仕事をしていたときです。鳥もカエルもバッタのことも忘却していました。
2020年12月に私はこんなことを書きました。
私たちは毎日毎日庭の様子、駐車場の様子、空の様子を観察します。何かを探そうとか、シャッターチャンスを狙っているわけではありません。ヴィラモの表現だと「受容」です。気づきとか、観照とか、醒めていることでもあります。
庭に出て野鳥が来ているのに気づかないとしたら、思考や感情にまきこまれて、ものが観えなくなっている状態、聴こえなくなっている状態かも知れません。あるいはただぼんやりして寝ぼけた状態かも知れません。それでは自分のカラダの内側の感覚や沈黙に入っていくことは不可能だと思います。
私たちは生態学の研究とか野生生物の保護をやっているわけではありません。 野生生物を大切に思っています。大切に思って愛情をもって撮影し、愛情をもってPhotoshopでトリミングし、愛情をもってサイトにアップします。でもそれは全く「学」ではないし、環境保護運動等の何かの「運動」でもありません。
愛であり、気づきであり、受容だと思っています。もし地球のことを本気で考えるなら、「学」や「運動」より愛や気づきや受容が大切だと思います。たとえば先日アルヴィナがシェアしてくれた「Love Silence Oneness」の瞑想が大切だと思います。
なぜって「学」も「運動」も部分的な思考だからです。アタマの思考でやっていることは・・・やっぱり小さなアタマの世界で、コトバを使ってぐちゃぐちゃやることだと思います。私もやるからよくわかります。真実ではないというか、実存ではないんです。
美術も音楽もダンスも詩も「学」や「理論」ではないと思います。愛も生も「学」や「理論」ではないと思います。思考でやることは冷酷であったり偽善であったり上っ面であったりします。非常に優れているように見えるんですが。どんなに立派なコトバであっても、結局コトバや計算に過ぎないと思います。
私としては、野鳥や昆虫やトカゲの写真も「エッセンシャルライフ」や「ハート瞑想」のひとつの表現だと思っています。
私なりの愛や気づき、受容、Silence、Onenessをシェアしているつもりです。あるいは、そうしたいと思って努力しています。
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花粉媒介する鳥
Pollinator Birds
2023年1月21日撮影。
ピンボケですが、サザンカの花蜜を吸うメジロです。サザンカは5本並べて植えています。この古民家にもともとあった木と、私の関西の実家から掘り起こして持ってきたもの、あわせて5本です。
実はサザンカは好きな木ではありません。葉がぶ厚く重たい印象になってしまう。この葉が冬に落葉しないので、日光が欲しい冬に光をさえぎってしまうからです。
けれど植えておいて良かった。かわいい目をしたメジロたちが喜んでくれることがわかりました。 サザンカの花蜜は食べ物の少ない冬場の貴重な食料になっています。またメジロたちはサザンカのポリネーション(花粉媒介)の役割をになっています。サザンカにとってメジロは無くてはならないポリネーター(花粉媒介者)だったんです。
野鳥のポリネーションといえばハチドリが有名ですが、アメリカ大陸にのみ生息し日本にはいません。日本の野鳥ではメジロやヒヨドリ、ウグイス、ウソなどがポリネーターとして知られています。
私たちの文明が野鳥たちの生存を脅かすようになった現代、従来とは異なるガーデニングの考え方が必要だと思います。人間中心主義ではなく、人間の好みだけでなく、「生き物目線のガーデニング」の必要を感じています。
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鳥は種を運ぶ
Birds carry seeds
2023年11月18日撮影。
ノブドウの実です。たまたま園芸店でノブドウの苗を見つけて好奇心で買ったものの、実が小さいうえに種が大きくて人間の食用には向いていなかった。
2023年10月末にエンジェルファームにやってきた渡り鳥のジョービタキのメスは、ノブドウの実が大好物だったようで、彼女はひと冬エンジェルファームで過ごしました。
ノブドウは人間のために実をつけるのではなく、野鳥に食べてもらい、その種を遠くに運んでもらいたい・・・そのことに思い至りました。 実を甘くするのは、野鳥が食べたくなるようにするためだった。
実をつける樹木と鳥は強い結びつきを持っている・・・そんなこと誰でも知っていることなんでしょうが、ジョウビタキの女の子と暮らした冬、あたらめてそのことを考えました。
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樹を植えると鳥が来る
Plant a tree and the birds will come
2024年9月4日撮影。
3年前、エゴの苗木を植えたんです。すると思いがけないことが起きました。毎日ヤマガラがしきりにやってきて実をついばみます。窓に近いところに植えたので、その様子を近くから観察することができました。
開花期にはクロマルハナバチが吸蜜に来ていました。ハナバチたちが吸蜜できる花を咲かせ、実は鳥たちがついばむことのできるような樹木を植えたら、
地域の生物たちに多大な貢献ができます。それは美しく豊かな庭、幸せな庭であると言えると思います。
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