ベナレスの牛 in India
Benares Cows in India 1993
聖ガンジス河はゆったり流れ
聖なる牛もゆったり歩む
聖なるものはゆったりしているのか?
誰かが言ってたけれど
インドの人は元来犬が嫌いらしい
犬はセカセカしてるから
ところがベナレスの犬はこれなんです
手前の日陰で横になっているのは犬
ベナレスではよくこんな光景を目にしました
犬が牛を真似してるんですね
そういえば牛を真似してるヒトも
たくさんいたなあ・・・
ベナレス、本当は「ヴァラナースィー」だそうです
とにかく聖なるガンジス河の沐浴が有名で
横で牛が水浴びしてたって平気なんです
バサッとウンコを落とすこともあるのに
このお方は水牛
普通の牛よりちょっと無愛想な顔立ち
こうやって向き合うとちょっと怖い感じですが
いたって平和的
乱暴ろうぜきを働くとすればいつも人間の方
オート三輪のおじさんが
神聖な牛をけったんです
牛がもたれかかって発車できないからです
おじさんは右手も振り上げてるけど
牛というのはマイペースな生き物
ちょっとケリいれたぐらいでは動じない
のったり のったり
道のまんなかに集まってきて
井戸端会議でもしているよう
そういうのをただぼーっと、いや失礼
じーっと凝視しているおじさんもいる
とにかくアタフタしてない
世界でいちばんアタフタしてるのは
オーサカ? トーキョー?
牛口密度が人口密度より
高そうなストリートもある
黒く見えてるのはみんな牛
日本人なら、やれハエが多いウンコが臭いと言って
結局は牛を追い出してしまうでしょうが
ベナレスではこんな街なかに
牛がうようよいてあたりまえなんです
ベナレスって面白い
何が面白いって、迷路みたいなんです
狭い路地が迷路状につながってて
いきなり牛がのそのそ・・・
街中に牛がいるって、いいなー
人間ばっかりだと息がつまりそうです
牛みたいなマイペースな動物が
日本の街にも欲しい
それにしても牧草地でもないのに
牛は何を食べてるのかと思ったら
やっぱり人がエサを献上してるらしい
インド文明のふところの深さかな
今の日本は小さな野良猫の存在さえ
許せなくて毒餌を仕掛ける
度量が小さすぎると思うんですが・・・
野良猫が増えたら確かに困るけど
牛がゾロゾロ歩くよりましと思います
神聖な牛はこんなすごい荷物もになえるんです
ナザレのイエスは人の罪をになったそうですが
この荷物もそうとう重い!
※以上、2000/06/18に作成した記事を復刻しました。



