ブラーマリー・プラーナヤーマ
Humming Bee Breathing

ナーダブラーマ瞑想のハミングのやり方と同じ、インドに古くからあるヨーガの呼吸法です。ハチの羽音のような音でハミングするので、「ハミング・ビー・ブレス」とも呼ばれています。

「ブラーマリー Bhramari」という言葉は、インドの黒い蜂を意味するサンスクリット語Bhramarに由来します。この黒い蜂をインド原種の黒いマルハナバチ(バンブルビー)であると考える人々は、「バンブルビー・ブリージング Bumblebee Breathing」と呼びます。より羽音の大きいクマバチ(カーペンタービー)であるとする説もあるようです。

上の写真はハーブのマロウで吸蜜するクロマルハナバチ。2021年5月29日、エンジェルファームで撮影しました。そのときマロウの花のまわりにたくさんのハチたちのブーンという羽音が響いていました。

「プラーナヤーマ」はヨーガの呼吸法。プラーナは生命エネルギーを意味します。中国では「気」と呼ばれ、古代ギリシャで「プネウマ」と呼ばれました。プラーナヤーマは単なる呼吸法ではなく、生命エネルギー、宇宙エネルギーの調気・調整を意味します。

「ブラーマリー・プラーナヤーマ」のやり方は以下です。

1.背骨をまっすぐにし、目を閉じて体をリラックスさせ、快適な姿勢で座ります。顔やアゴの緊張をゆるめ、口は穏やかに閉じます。歯は噛み合わせません。舌は上の歯のうしろに置きます。

2.親指をつかって耳の穴の側にある軟骨をおさえて、耳の穴をふさぎます。あとの指は頭に置く方法と、顔に置く方法があります。

3.鼻で息を吸い、吐くときに蜂の羽音のようなハミング音を出します。ハミング音は、頭の中で響きわたり柔らかく振動します。

4.ハミングを止めて、しばらく目を閉じてくつろぎます。ハミングを止めても残る微細な振動を感じます。身体の感覚と内面の静けさを観察します。

ブラーマリー・プラーナヤーマの効果について、呼吸器科の医師であるパータ・プラティム・ボース博士は、次のように報告しています(2015/01/10)。

ブラーマリー呼吸は心を落ち着かせ、ストレスを解消します。緊張、怒り、不安、不眠症、血圧を軽減します。このプラーナヤーマは、体組織の治癒を早めるのに効果的であり、手術後に実践することができます。

ブラーマリー呼吸の目的のひとつは喉の病気を減らすことです。これは内分泌腺、特に甲状腺と神経系にプラスの影響を与える可能性があります。ブラーマリー呼吸は神経系全体を落ち着かせる効果があり、特に副交感神経系を刺激し、筋肉の弛緩を誘発し、ストレス管理に効果的です。

音はOmの詠唱、特に長いmmmに似ています。音は深く、安定していて滑らかでなければなりません。これらの振動によって、大脳皮質は視床下部に直接インパルスを送ります。

視床下部は、すべての腺のマスターである下垂体を制御します。このブラーマリー・プラーナヤーマの実践は素晴らしい精神安定剤です。ストレスを和らげ、怒りや不安を軽減し、入眠と睡眠の維持を改善し、血圧をコントロールするのに役立ちます。

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ナーダブラーマ瞑想
Nadabrahma Meditation